来年11月の米大統領選挙の投票まで、1年を切った。民主党の候補者を選ぶ予備選挙で支持を伸ばしてきたのが、リベラル色の強いエリザベス・ウォーレン上院議員だ。当初はその他大勢の1人にすぎなかったウォーレン氏。だが今では、同じくリベラル派のバーニー・サンダース上院議員を支持率で上回り、ジョー・バイデン前副大統領に並ぶ有力候補となっている。
ウォーレン氏の台頭は、米国経済にとって懸念材料だ。格差問題への関心が高いウォーレン氏は、富裕層を標的とした資産課税やグローバルに利益を上げている大企業への新税の導入などを公約している。ウォーレン政権が誕生してこうした公約が実現すれば、米国経済には逆風となりかねない。そこで重要になるのが、大統領選挙と同日に投開票となる議会選挙だ。
金融規制の強化といったウォーレン氏の公約は、大統領権限である程度は実行できる部分がある。しかし、新税の創設などには議会による立法が欠かせない。選挙の結果次第では議会を通じた共和党の抵抗が、ウォーレン氏の公約実現の防波堤になる。
なかでも焦点となるのが、上院多数派の行方だ。現在の米国議会は、上下院で多数派が異なる「ねじれ議会」である。下院の多数派は民主党だが、上院では共和党が多数派を占めている。
ウォーレン氏が勝つシナリオでは、議会選挙でも民主党に追い風が吹くと考えるのが自然だ。すなわち、民主党が下院で多数派を維持したうえで、上院での多数派を狙う展開が想定される。
一見すると、多数派交代のハードルは低い。総議席が100議席の上院で、共和党は現在53議席を持つ。議席数が並んだ場合には、副大統領の1票が上院の多数派を決める。そのため、ウォーレン政権が誕生し副大統領も民主党側となるシナリオでは、民主党は3議席増で多数派となる。
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