英国が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決めてから、すでに3年以上が経過する。EUとの経済関係が今後どうなるか、まるで見通せない状況が続いているが、このままいけば離脱派が当初訴えていた以上に溝が深まる可能性が高い。
にもかかわらず、懸念されたようにロンドンから企業が大挙して出ていくという事態にはどうやらなっていない。英国の金融機関がいわゆる「パスポート」を失い、EU市場で自由に営業できなくなることが確実視されているにもかかわらず、である。どういうことか。
最近公表された2つのデータが実態を読み解く手がかりになる。1つは大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)による調査だ。EYは英国のEU離脱が決まってから企業の対応をウォッチしてきたが、9月半ばに公表された最新の調査結果によると、企業の4割が一部の事業や従業員をロンドンから移転させる計画だ。大企業では、この比率は6割になる。それなのに、ロンドンから転出が見込まれる仕事は7000人分と、2年前の調査結果を大幅に下回った。
ブレグジットで最も得をした都市が、ダブリンとルクセンブルクというのも興味深い。いずれも金融センターとしてはニッチなため、ロンドンにとってはありがたいニュースだ。これが仮にパリやフランクフルトだったら、国際金融都市としてのロンドンの地位はもっと危うくなっていたに違いない。
2つ目は、英コンサルティング会社Z/Yenが6カ月ごとに公表している国際金融都市ランキングだ。9月半ばに公表された最新結果ではロンドンは世界2位の座を死守しながらも得点を落とし、首位のニューヨークに大きく水をあけられた。
対照的に順位を大きく上げてきたのがパリだ。欧州銀行監督機構がロンドンから拠点を移し、米金融大手バンク・オブ・アメリカがロンドンのトレーディング部隊を一部移転すると決めたことがパリの評判を高めたとみられる。
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