東京を世界の金融センターにするという戦略はこれまで何度も国家的テーマとなったが、ほとんど空振りに終わってきた。バブル期には世界トップ企業がブランディング目的で東京証券取引所にこぞって上場し、ドイツ銀行株が東証の売買代金1位になったこともあった。これも結局、実力というよりバブルのなせる業で、バブルが崩壊すると上場外国企業数はピークの127社から減少が止まらず、今月には4社になる。
世界の都市別の金融センターランキングとして、英研究機関のZ/Yen社が集計する「グローバル金融センター指数」がある。9月19日に発表された最新結果を見ると、東京はニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポール、上海に次いで世界6位で、停滞感が強い。とくに税制や法規制など「事業環境」の評価が異常に低い。
小池百合子知事が率いる東京都は「国際金融都市・東京」構想を掲げ、「アジアナンバーワンの地位を取り戻す」と積極姿勢を示している。今年4月には、官民連携で東京を世界にプロモートする組織として「東京国際金融機構」を新設し、都の予算もつけた。
近年、前向きな変化も見える。例えば、東証のある兜町では昨年来、日本株で運用する和製ヘッジファンドが十数社勃興している。海外で腕を磨いた若手運用者が日本に帰って新設するケースが多く、過去になかった動きだ。背景には、兜町の大家である平和不動産の誘致策や金融庁による免許手続き簡素化のほか、日本株、中でも英文開示されていない中小型ハイテク株に対する海外投資家の注目度向上がある。海外年金基金から数百億円を受託したファンドもある。
また、東証関係者によると、台湾やシンガポールのネット関連企業などが10社前後、東証マザーズへの上場準備を進めている。米ナスダックよりハードルの低いIPO(新規公開)市場として、アジア企業の間でマザーズが脚光を浴びているようだ。不正問題さえ回避できれば将来有望ではある。
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