台風15号の影響により関東で最大93万軒の大規模停電が発生し、千葉県の全面復旧には2週間以上を要した。台風による大規模停電は、昨年9月の大阪(関西電力圏で240万軒)、11月の静岡(中部電力圏で180万軒)に続き、2年間で3件目だ。
いずれも最大瞬間風速が50メートルを超え、各地で観測史上の最高値を記録。大量の倒木による電線・電柱の破損が停電の主因となった。
千葉で今回目立ったのが復旧までの時間の長さだ。ピーク時から99%の停電が復旧するまでの時間は大阪約120時間、静岡約70時間に対し、約280時間と2倍以上。千葉県は前2回の地域に比べ、人家に近いところまで森林が広がる里山の色が濃い。それだけに倒木の数が一段と多く、復旧までの長期化につながったとみられる。
一方で、千葉県にあるような里山は日本全国の地方部に共通するものだ。今後、大型台風の上陸が日常化すれば、長期化する大規模停電は各地で頻発しかねない。どのような対策が必要だろうか。
大量倒木に先手を打つ
今回、他電力会社からの応援を含む千葉県の復旧対応人数は、最大の約1.6万人に膨れた(大阪約1.2万人、静岡約8000人)。「緊急のものを除き、実施中の工事を全部止めて千葉県に人員を投入した。1.6万人はほぼマンパワーの限界」(東京電力パワーグリッド)。地方では農家などが重機を操作できるが、電線が絡むと専門知識を持つ電力関係者に依存せざるをえない。大量の倒木に事後的に対応することには限界がある。
倒木を減らす事前の取り組みが重要だが、現実には木材価格の低迷で森林管理を放棄する地主が多く、間伐未実施により陽光が不足して倒木予備軍が増えている。電力会社が巡視で電線にもたれかかる木を見つけ、地権者の承諾を得て伐採する作業は日常茶飯事だ。
この記事は会員限定です
残り 701文字
