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ライフ #クラシック音楽最新事情

自分の名が刻まれた名作の誕生にときめく 音楽家に新作の作曲を“委嘱"

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
日本を代表する作曲家、藤倉大。個人からの委嘱を受け新作『三味線協奏曲』を作曲した(©Yuko Moriyama:otocoto)

「きっかけは、仕事でロンドンに出張した際に、英国の音楽大学(トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージック)時代の同級生だった作曲家・藤倉大(ふじくらだい)さんと再会したことでした」。そう語るのは、藤倉に新作の作曲を委嘱した長谷川綾子さんだ。

長谷川さん自身もピアノを学んでいたが、藤倉のような才能を目の当たりにして音楽家の道を断念。今は市場調査を行う外資系企業に勤務し、充実した日々を送っている。しかし、すばらしいアーティストが世に出にくい現状にずっと疑問を持ち続けていた。そこで「自分がよいと思うものをサポートする側に回ろう」という考えを持つようになったのだそうだ。

作品委嘱の話を切り出した際には藤倉もそうとうびっくりしたようだが、「ちょうど『三味線協奏曲』の計画がある」と話はトントン拍子に進み、10カ月後には演奏時間20分ほどの新作『三味線協奏曲』が完成。2019年8月、ニューヨーク・リンカーンセンターの「モーストリー・モーツァルト・フェスティバル」で世界初演となった。

「出来上がった曲を初めて聴いたときにはゾクゾクして鳥肌が立ちました。和が持つ普遍的な静の空気感と現代音楽とのケミストリー。まさに新しい作品誕生の瞬間に立ち会えたのです。親バカならぬ“曲バカ”になるってこういうことなんだと思ったりして(笑)」

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