2019年上半期の食のブームといえば「タピオカ」だろう。若者は、黒い真珠とも揶揄される球体を極太のストローで飲み、その様子をSNS(交流サイト)で拡散する「タピ活」に励む。
10%前後とされる極端に低い原価率や設備投資の手軽さからビジネスとしても魅力的で、都内だけでも専門店が300店舗以上ある。コンビニの棚にもタピオカドリンクが増え、回転ずしチェーン店に光るタピオカミルクティーが登場するなど、大手企業の若年層開拓と客単価アップにも一役買っている。ファストフード店などの取り扱いも増え、依然原材料は品薄だ。
タピ活者がどれだけ認識しているかわからないが、タピオカは熱帯・亜熱帯産イモ類、キャッサバの根茎から、有毒な青酸配糖体を除去し、でんぷんを粒状にした加工食品だ。若干のカリウムや食物繊維以外の栄養素は加工過程で流されてしまいほぼ含まれていない。言うなればただの炭水化物の塊だ。そのままでは何の味もなく、おいしく食べるためにこれを糖質たっぷりのミルクティーやココナツシロップに入れてかまずに飲む。タピオカドリンクを吸いながらダイエット話に夢中の若者の行列を見ると、複雑な気持ちになる。でんぷんでおなかをいっぱいにして「1食抜くことができた!」と語る彼らに共感はできない。
この記事は有料会員限定です
残り 474文字
