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キャリア・教育 #マーケティング神話の崩壊

広告主は指揮者であれ マーケティングの「オーケストレーション」

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広告クリエーターは広告代理店の顔だ。世間の注目度は高く、名前が売れれば書籍出版や講演のオファーも舞い込むようになる。そのキャリアの「印籠(いんろう)」は、広告賞の受賞歴だ。著名なクリエーターのプロフィールには、海外の権威ある広告賞の受賞歴が並ぶ。

広告の目的はビジネスの成長だ。本来、広告クリエーターはビジネスを成長させた実績で評価されるべきなのだが、それを難しくしているのが、広告ビジネスの分業制だ。ストラテジープランナーが「誰に向けて、何を言うか(What to Say)」を決める。それを「どう言うか(How to Say)」考えるのがクリエーターだ。メディアプランナーは、そのメッセージを「どう届けるか」を検討する。

ビールのCMを作るとしよう。キンキンに冷えていなくてもおいしい、という商品特性があったとする。例えばそこに注目し、「時間をかけてゆっくりビールを味わいたい働く女性」を広告のターゲットに設定するのがWhat to Sayだ。それを基にコピーライターが「タンブラーで味わうトラピスト(修道院)スタイル」というキャッチフレーズを考案し、アートディレクターが中世ヨーロッパをイメージしたビジュアル表現を考え、クリエーティブディレクターはその両方を統括する。これがHow to Say。メディアプランナーは、それを電車の中吊り広告と深夜のテレビCMで展開しよう、といった媒体展開を考える。ビジネスの成否は、この全体のチームプレーに懸かっている。

マスメディアの時代には、媒体の組み合わせである「どう届けるか」にはそれほどバリエーションがなかった。市場も「誰に向けて、何を言うか」を考えあぐねるほど飽和してはいなかった。すると「どう言うか」を担うクリエーティブの重要性が際立った。広告制作の技能こそ、広告代理店を差別化するものになった。メディア投下量などのげたを外し、純粋にクリエーティブのみを評価するのが広告賞だ。広告制作の技能を磨くうえで便利な仕組みだった。

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