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キャリア・教育 #マーケティング神話の崩壊

うそのない言葉が生む共感 ブランドのメッセージはオーセンティックであるべき

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TCC(東京コピーライターズクラブ)は、1958年に設立された歴史ある団体だ。そのTCCが主催するTCC賞は、いわばコピーライターの芥川賞。受賞は押しも押されもせぬ一流コピーライターの証しとなる。

その2018年の新人賞受賞者に、山本隆博氏の名がある。受賞した作品の広告主と、作者の所属・連絡先が同じである唯一の受賞者だ。山本氏はシャープマーケティングジャパンの社員で、シャープ公式ツイッターの更新を担当している。コピーライターだと名乗ったことはない、という。受賞した作品は、ツイッターへのある投稿だ。その投稿で山本氏はシャープの採用ページを「美辞麗句で薄っぺらな言葉が並び」と批判する。ですが、とフォローするものの、続く結びも、企業のコメントらしくはない。「これだけははっきり言えます。数年前よりずっとマシ」。

このような投稿を、大企業の社員がするのは異例だろう。しかも公式ツイッターによる公式見解だ。それゆえに話題になったし、何より共感を呼んだ。企業の採用広報に本音と建前があることは、誰もが知るところだ。そこにつねに横たわっていた「もやもや」に、この投稿は寄り添ってくれた。読む人は、そうなんだよね、わかるわかる、と共感する。

消費者(応募者)が商品(企業)を選ぶ際、「好意度」が大きく物を言う。車のように慎重な検討を要する商材でも、商品の深い理解より単純な好意度の差のほうが購買への影響が大きい、とする研究もある。広告の目的の1つは、そんな「好意度」をつくることだが、そこに共感が果たす役割は重要だ。

この投稿は共感に基づく好意度をつくり出す。それを許したシャープの懐の深さを感じられると、好意度はさらに上乗せされるだろう。広告コピーとして十分すぎるほど機能しているのだ。

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