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キャリア・教育 #マーケティング神話の崩壊

広告は社会を変える力がある 芸能人の好感度とブランド広告

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トランプ米大統領就任式直前の2017年1月19日。マンハッタンで行われた抗議デモには、俳優のロバート・デ・ニーロが参加していた。デ・ニーロの盟友、メリル・ストリープも大統領を公然と批判する。3度のアカデミー賞受賞を誇る大女優だが、「過大評価されている」と大統領にツイッターで批判され話題になった。ほかにもトランプ大統領への不支持を明確に打ち出す俳優は多い。

日本ではこのようなことはまれだ。選挙に出馬するのでもなければ、批評を生業とする人以外の芸能人が政治的なスタンスを明確にすることはほとんどない。この差はどこから生まれるのだろう。日本の芸能人は総じて政治に興味がない? 話はそう単純ではない。

広告に芸能人が起用されるのは、ブランドがその「好感度」を借りてきたいからだ。消費者が商品を購入する際、その選択は必ずしも合理的ではない。店頭のシャンプーを手に取るとき、多くの消費者は「ただなんとなく」それを選ぶのだ。その「なんとなく」の選択は、好感度に大きく左右される。商品のCMに出ている俳優を無意識に思い出す。いいな、と思っている俳優であれば、商品への好感度も上がる。それで実際に売り上げが伸びることは、過去のデータが証明している。もっとも、多くの場合、自分がその商品に好感を抱いていることは意識されない。

政治的無関心を生むもの

問題はこの好感度である。自分の意見を表明することが必ずしもよしとされない日本では、政治的な言動が世間一般の好感度を上げることはまずなかった。CM出演を収入源とする芸能人は、そのリスクを回避しがちだ。最近は「炎上」に対する懸念もそれに加わった。芸能人が政治的な発言をすると、必ず反対の立場からSNS(交流サイト)で批判の声が上がる。これは企業や個人が批判の的となる炎上の火種になるかもしれない。芸能人個人も、起用する企業も、政治的な発言には慎重になる。議論や裁判で白黒をつける欧米と違い、個人にも企業にもあまり批判耐性がない日本では、その傾向がとくに顕著だ。

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