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日本は環境対策の劣等生だ 厳しい現実は見て見ぬふり

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岩手県大船渡市の防波堤。津波の高さも温暖化で想定を超える可能性も高い(毎日新聞社/アフロ)

先週号の当欄で見たように、地球温暖化のインパクトは相当なものになっており、日本はこれから何十年と大規模な災害にさらされ続けることになる。では、日本は必要な備えができているのだろうか。それとも、東日本大震災の原発事故と同じように、政府はまたしても「想定外」との言い訳を持ち出すつもりなのか。

温暖化対策で日本が世界の劣等生なのは有名だ。二酸化炭素を大量にまき散らす石炭火力発電所の国内増設を続け、さらに政府開発援助を用いた海外輸出まで行っているのだから、日本の環境政策にはかなりの欠陥がある。ドイツの環境NGO「ジャーマンウオッチ」による温暖化対策の国別ランキング(2019年版)で、日本は60カ国中49位と最下位グループに沈んだ(米国は59位で日本と同じ最下位集団に属する)。

ただ、温暖化から自国を守る政策においてすら日本が後れを取っていることは、それほど広く知られているわけではない。例えば、東日本大震災を受けて東北の被災地域で建設されている総延長394キロメートルの海岸堤防。温暖化で海面が上昇すれば、未曽有の大津波がこれまで以上に増えるのは間違いないが、日本政府は海面上昇の影響をまるで考慮していない。安全保障政策に例えるなら、太平洋戦争時代の発想で現代の紛争に立ち向かうようなものである。

このような不手際は専門サイト「アジア太平洋ジャーナル:ジャパン・フォーカス」に最近掲載された論文に詳しい。同論文によると、海岸堤防に関する181の建設計画を調べたところ、津波対策の関連で「海面上昇の追加リスクに言及しているものは1つもなかった」という。

海面上昇を見くびるな

ところが、現実には気候変動のせいで海面は上昇し続けている。現在の防災計画では50〜160年に1度とされる高さ7〜10メートルの津波(レベル1)に加え、東日本大震災と同じく数百〜数千年に1度とされる高さ10メートル超の津波(レベル2)が想定されるようになっている。が、海面上昇により、過去にはレベル1の津波しか引き起こさなかった地震でも、レベル2の津波を引き起こすようになるとの研究結果が積み上がっている。

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