貧困率、予防接種率、平均寿命の伸長などで世界は大きな進歩を遂げてきた。反面、進歩がひどく遅れている分野もある。その1つが教育の男女平等だ。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「グローバル教育モニタリング(GEM)リポート」(2019年版)は、就学率の男女平等が進んだ反面、女子よりも男子で中等教育から脱落する生徒が増えるという新たな問題が出てきたと指摘する。就学率を重視する政策の欠陥が露呈したのだ。
もちろん、貧困国では学校に通う女子を増やすことが今でも極めて重い課題となっている。ただ、就学率の男女平等は最終目標ではなく、出発点にすぎない。教育の男女不平等を解消するには、背後にある根本要因にも働きかけていく必要がある。
女性の本分は家族の面倒を見ることにある──。国に関係なく、女性は日頃から、そんな見方にさらされて生きている。10〜14年に51カ国で実施された「第6回世界価値観調査」では、「女性が収入のために働くと子どもに悪影響が出る」という見方に「同意」または「強く同意」するとの回答が半数を占めた。
これでは、女子教育が軽視されがちになるのも当然だ。同調査によると、世界の4人に1人はいまだに大学教育は女子よりも男子のためのものだと考えている。
学校が偏見を助長
しかも、このような固定観念は学校教育によって一段と強固なものになっていく。教科書には男女に関する紋切り型のイメージが載り、偏見が拡大再生産されている。女性が成し遂げた歴史的な功績も教科書からは抜け落ちている。教師に女性が多いのは事実だが、学校上層部は総じて男性ばかりだ。
となると、学校教育を受けた女子が主婦や看護師など、伝統的に女性のものとされてきた進路を目指すようになるのも不思議ではない。実際、工学、製造、建築、情報技術を専攻する学生のうち女性は約4分の1にとどまっている。
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