沖縄のビールといえばオリオンビール。県民一人ひとりが営業員となって来訪者に薦めてきた成果だ。
そんな情景に水を差す事態が起きた。オリオン経営陣が今年1月、野村ホールディングスと米投資ファンド・カーライルグループによる買収を受け入れると発表したのだ。2カ月後の3月にはTOB(株式公開買い付け)が成立し、正式に「沖縄資本のビール会社」ではなくなった。
会社側は、「出荷量の減少に歯止めがかからない」「株主の高齢化が進み、安定した株主が必要となった」と説明する。野村の全国ネットワークと、企業価値向上で実績のある外資ファンドの力を合わせてグローバル企業へ脱皮する──。与那嶺清(当時)社長は1月の会見で「県民のビールであるというアイデンティティーを維持する」と強調した。ただ、オリオンを支えてきた県民の間では、裏切られたという思いが募っている。
創業家が売りに動く
批判の矢面に立たされたのはオリオン経営陣だが、実は買収のきっかけをつくったのはオリオン創業家の1人。カーライルに「オリオン株を買ってほしい」と持ちかけたのだ。オリオン株だけではない。本社ビルなどを所有する資産管理会社「幸商事」株もだ。
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