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「望まぬ転勤」はもはや限界だ 生活に即した多地域居住を模索すべき

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【今週の眼】柳川範之 東京大学大学院教授
やながわ・のりゆき 1963年生まれ。慶応大学通信教育課程卒業。93年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。東京大学助教授などを経て2011年から現職。主著に『法と企業行動の経済分析』『独学という道もある』など。(撮影:今井康一)

近年、さまざまな面で働き方の改革が叫ばれているが、今後大きな焦点になってくるのは、地方や海外などへの望まない転勤を、どこまで制度として維持し続けるかだろう。

もちろん、法制度などによってそれを禁止すべきか、という話をしたいわけではない。今後、企業と社員の関係性が変化する中で、今までのような人事制度をどこまで維持するのが望ましいかという、会社のスタンスあるいは戦略としての課題だ。

今後の変化として、まずわかっていることは、人手不足の時代になり、人材の取り合いが生じるということだ。そのため、望まない処遇を提示されると社員が辞めてしまう可能性は、今まで以上に大きくなる。

とはいえ、今までであれば、職務や場所は会社が決めるものであり、それに従う代わりに、将来にわたる比較的安定した処遇が保障されるというのが、正社員の働き方であった。

しかし、経団連会長が、終身雇用の限界を口にした事実が示すように、今や終身にわたりそのような保障をすることは、現実的に難しくなっている。したがって、会社と従業員との関係性は、今後大きく変わっていかざるをえない。

人手不足および急速な技術革新の時代において、転勤だけは今までどおり、会社の言うことに従ってもらう、というわけにはいかないだろう。そのような制度あるいは慣行を続けている企業には、よい人材が集まらなくなる。そういう時代が今後、かなり速いスピードでやってくるのではないだろうか。

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