韓国への輸出規制が7月4日から始まった。半導体やディスプレーの材料となる感光材など3品目が対象だ。また、8月末までには「ホワイト国」(安全保障上、信頼を置く国)の指定から韓国を外す方針だ。
日本はホワイト国として米英など27カ国を指定している。韓国を除外することで、同国向け輸出はリスト規制対象品目以外も品目ごとに審査・許可が必要となるなど、企業にとっては関連業務が煩雑になる。
なぜ韓国なのか。世耕弘成経済産業相は、2つの理由を挙げた。1つは、韓国側の輸出規制が不十分で、今回規制を行う品目の分野で過去に不適切な事案が発生していたこと。もう1つは、両国間で積み重ねてきた友好協力関係に反する韓国側の動きが相次いでいたことだ。「旧朝鮮半島出身労働者問題」について6月末のG20(20カ国・地域)サミットまでに満足のいく解決策が示されず、信頼関係が著しく損なわれたとしている。
だが、旧朝鮮半島出身労働者問題、いわゆる徴用工問題における韓国政府の無反応・無策にしびれを切らしたというのが、安倍晋三政権の本意だろう。であれば、なぜ輸出管理を理由に挙げたのか。
これまで、日本の技術や部品などを輸入した韓国企業が、工場のある中国でそれらを流出させたことがあった。2018年11月には、「有機EL技術の流出」を理由に韓国検察がサムスンディスプレイの社員を起訴したこともある。また、スマートフォンなどIT製品の一大生産地でありながらも、中心部材の半導体を内製できない中国が、世界シェアの高い韓国企業を狙って立ち入り捜査を行うなど、日本から見ると技術流出に対する韓国企業の緩さは目立っていた。
北朝鮮をも視野に?
日本政府の説明を受け、「今回の措置は、北朝鮮と韓国・米国との関係改善を見据えたものではないか」との指摘が韓国で聞こえ始めた。北朝鮮の非核化が進み経済制裁が緩和・解除されれば、北朝鮮と韓国企業との交流・取引が広がる。例えば、北朝鮮の開城(ケソン)工業団地などへ入居した韓国企業から日本の主要技術や部品が北朝鮮に流れることを日本政府はおそれているのではないか、という指摘だ。
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