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ドイツ銀行の転落が意味するもの 3年で1.8万人を削減する大規模なリストラ策を発表

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  • 中村 稔 東洋経済 編集委員

経営危機が続く独最大手のドイツ銀行がついに大規模なリストラ策を発表した。今後3年で全社員の2割に当たる1.8万人を削減。株式売買事業から撤退するなど投資銀行業務を大幅に縮小し、資金決済や融資などの商業銀行業務に軸足を戻す。

「原点に回帰し再出発する」──。ゼービングCEO(最高経営責任者)はそう声明で述べたが、要はグローバルな投資銀行としての競争に敗れ、白旗を揚げたということだ。株価は過去4年で約8割の暴落。もはや限界だった。

「シェア第一で突っ走ったが、時代の流れの変化に対応できず、米国勢に対し2周遅れのリストラになった」と元幹部は言う。

地味で実直な商業銀行だったドイツ銀行は1998年の米バンカース・トラスト買収を機に投資銀行業務を急拡大し、米国勢に並ぶ「欧州代表の投資銀行」と称賛されるまでになった。99年の統一通貨ユーロ誕生により、地盤の欧州連合(EU)に対しても、基軸通貨ドルに対抗する通貨を持つ巨大経済圏としての期待が高まった。

ところが、リーマンショックで環境は激変する。主要国の金利はゼロに向かい、金融規制は国際的に厳格化された。南欧危機でEU統合への熱気も冷めてしまった。ドイツの長期金利は今やマイナスに沈み、投資銀行業務の柱である債券売買事業の収益性悪化が続く。

撤退を決めた株式売買業務も、システムや調査の経費がかさむ反面、手数料率は極限まで縮小。規制強化で自己勘定の持ち高も制限され、不採算を理由に他社の撤退・縮小が相次いでいた。

こうした構造変化の中で、ドイツ銀行は規模拡大志向が災いし、対応が後手に回った。金利不正操作や資金洗浄、不適切商品の販売など不祥事も続々と表面化し、罰金が激増。連続赤字でいよいよ切羽詰まった揚げ句、独国内2位のコメルツ銀行と統合交渉を進めるが、労働組合の反発で破談に。日本のゆうちょ銀行に当たるポストバンクを買収した影響で、政治的にも雇用削減への抵抗は強かった。

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