現在、世界で最も長期金利が低い国はスイスで、10年物国債金利がマイナス0.5%程度である。日本の長期金利はそれに次ぐ低さというのが一般的なイメージだった。だが、ここにきて、ドイツとデンマークに逆転され、日本は「世界第2位の低金利国」の地位を明け渡しつつある。
ドイツ国債はユーロ圏国債市場のベンチマークであり、金利もユーロ圏では最も低い。そのドイツ国債の金利は日本国債の金利より低かった時期もあるが、2015年と16年の2回だけであり、しかも短期間のことであった。15年には、ECB(欧州中央銀行)が量的緩和を始めた直後にドイツ国債の金利が一時的に急低下して日本国債の金利を下回った。16年には、日本銀行がイールドカーブ・コントロール政策を始めたことから日本国債の金利が急上昇してドイツ国債を上回った。
今回も、逆転はごく短期間で終わるかもしれない。しかし、今後は、15年や16年のように日銀とECBの採用していく金融政策が極端に違ったものになっていくことは、想像ができない。米国の長期金利の低下だけがここにきて突出して大きいのは、主要国の中央銀行の中でFRB(米連邦準備制度理事会)だけが大幅な利下げ余地を残しているからである。
では、なぜ日本国債が世界第2位の低金利国債の地位を明け渡しつつあるのか。
1つには日本では低金利の副作用の議論がずっとされてきていて、これ以上の金利引き下げは経済にマイナスになる可能性があるとみられているためである。
実際、4月中旬に日銀が「金融システムレポート」において地方銀行の長期的な財務状況のシミュレーションを示した頃から、日本の長期金利の低下ペースは欧米のそれに比べて鈍さが目立ち始めた。
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