今回は具体的な出来事やエピソードをどう伝えるかについてお話しします。その話術に優れているのがお笑い芸人さんです。なぜ彼らが語るエピソードに引き込まれてしまうのか? それは、どんな状況かを簡潔に説明した後、聞き手が共感したり同じ情景を思い浮かべたりできるように工夫しているからです。
そんなワザを見られるのが「人志松本のすべらない話」(フジテレビ系、不定期放送)。ダウンタウンの松本人志さんをはじめ10人ほどのお笑い芸人さんが、すべらない話(確実に笑える話)を披露していく番組です。ここで披露される3分前後のトークが、見事なまでに話術の見本になっています。
番組で芸人さんは「○○の話なんですけど」と話を切り出します。第1回では、次長課長の河本さんが「昔、うちで飼っていた犬のタロ吉の話なんですけど」と話し始めました。次に、「いつ」「どこで」「誰が」など基本的な状況を説明し、出来事が動き出します。「子どもの頃、親が離婚することになった。それでタロ吉を飼えなくなった」などと、客観的な場面の説明が入ります。
佳境を迎えると、自分がそのとき感じたことや実際の会話のやり取りなど生き生きした描写が増えていきます。「いよいよタロ吉と別れなあかんときが来ました。お姉ちゃんはタロ吉を離しません。これではあかんと思って『お姉ちゃん、貸して』とタロ吉を取り上げたんです。そして……」もちろんこの後には爆笑のオチが用意されていて、1つのトークが終了します。
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