仕事でさまざまな会社から社長のプレゼンテーションのトレーニングを依頼されます。そのとき毎回不思議に思うことがあります。それは、話すのに自信がある社長ほど原稿を書こうとしないということです。
その方の気持ちはわかります。原稿がなくても、スライドにおおよその内容が書いてあれば、すらすら話せる自信があるのですよね。
そんな方が多く口にするのは「原稿を用意すると棒読みになってしまう。原稿のないほうが自然に話せるんです」ということ。確かにそうかもしれません。それでも私はいつもこう答えています。「必ず、原稿を書いてください」と。
原稿は書かなくてもいい、と考えている方は次のような感じだと思います。
「何かを話していると次々とアイデアが浮かんでくるので、それをどんどん付け加えていく。話が肉付けされていく感じがして、思うままに話せているという充実感もある」。私も、かつてはそうでした。思うままに話せる……実はこれが落とし穴なのです。
例えば、自社で開発した新サービスの説明をしているとしましょう。話しているうちに、発表したサービスの中でも自信のある特定の機能について詳しく語りたくなる。その機能の詳細を話しているうちに、開発途中の苦労話が浮かび、軽く触れておこうと思う。軽く触れるつもりが、聴衆の反応がいいのでついつい長話になる。これだけ話を聞いてくれる聴衆だったら、もっと未来のビジョンを語って自社の強力なサポーターになってもらおうと考え、脱線が長くなっていく。
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