注目された欧州議会選挙が5月26日に終了した。中道右派EPP(欧州人民党)と中道左派S&D(社会民主進歩同盟)はEU(欧州連合)統合推進の体制派で2大会派だが、合わせて75議席減らし、326議席となった。全議席数は751なので、過半数の376に50議席足りない。
代わりに躍進したのは、中道リベラルのALDEと環境政党の緑の党で、増やした議席数は合計で57。一方、EU懐疑派と極右派が増やした議席数はわずかに4。イタリアの「五つ星運動」を含む左派のEU懐疑派はむしろ議席数を1減らしており、事前予想ほど反EU派の得票は伸びなかった。
この欧州議会選挙の結果から何が読み取れるだろうか。欧州のターニングポイントになるのか。その判断の手がかりは3つある。
第1に、法制化および対外交渉が円滑にできるかどうかだ。ALDEと緑の党が体制派と協調するなら、「反EU」よりは「親EU」の多い結果となり、それ自体は金融市場にも安定をもたらす。
しかし、4党が多くの法案で方向性を同じくするとは限らない。11月には米国との貿易協議が始まるが、キャスティングボートを握るALDEと緑の党の意見によっては、事前協調が難しくなる可能性がある。EUは貿易交渉を製造業製品だけにとどめたい意向だが、米国は農産物にまで議論を拡大したがっている。農産物についてはフランスをはじめこだわりの強い国があり、EU内部で見解の統一が図れない可能性もある。
第2に今年の秋に交代が集中する要職人事への影響である。
欧州委員会委員長を選ぶ際の「最大会派の筆頭候補指名」制度にはマクロン仏大統領が反対している。最大会派のEPPの勢力が弱まったため、EPPが推すドイツ人のウェーバー候補の指名が難しくなったとみられる。そこで、新たな候補として、フランス人のバルニエ氏やラガルド氏などの名前が取り沙汰されている。
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