昨今クラシック界でブームになっている古楽。古楽とは、16〜17世紀のルネサンス期やヨハン・セバスチャン・バッハが活躍したバロック期など、西洋の「古い音楽」を意味する音楽用語。この古楽ブームに伴って注目度が高まっているのが、作曲家が活躍した当時のオリジナル楽器(ピリオド楽器)を使用するコンサートだ。
このピリオド楽器人気に拍車をかけたのが、2018年9月にポーランドで開催された「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」だろう。世界最古にして最高の権威を誇る「ショパン国際ピアノコンクール」の運営団体が、初めて開催したピリオド楽器によるコンクールだ。それだけに影響力は大きい。
コンクールの趣旨について同コンクール芸術監督スタニスワフ・レシチンスキ氏は、「歴史的演奏法の探求において、ショパンや彼と同時代の作曲家の作品の真正な響きを復元することは極めて重要だ。当時の楽器でオリジナルの音色やメカニズムに近づける。それによりショパンの音楽のユニークな特徴を把握できる」と語る。
われわれが現在耳にしているピアノの音色は、ショパンが活躍していた当時の楽器とは異なる響きである。楽器自体も音楽のあり方とともに大きな変化を遂げているのだ。その最大の要因として考えられるのが、コンサートホールの大型化だろう。大きな音を求めたことによって失われてしまった繊細な響きへの憧れが、ピリオド楽器人気を後押ししているようにも感じられる。
この記事は会員限定です
残り 431文字
