2020年から使われる小学校教科書の検定結果が発表された。報道によれば、ページ数が現行と比べ平均10%増える。その主な理由は、「若手教員への指導技術の伝承が難しくなっている」(中央教育審議会答申)ことに対応して、教え方についての「親切設計」を行うためという(3月27日付朝日新聞)。教室での板書や発問の具体的な例示を含むようになったというのだ。
教員の働きすぎが問題視され、「働き方改革」が求められている。高齢教員の大量退職を受け、公立小学校の教員採用倍率は低下傾向にある。07年に小学校の採用倍率は4.6倍であったが、16年には3.6倍に落ちた。企業の求人で、採用倍率が4倍を切っている場面を想像してみるとよい。大学受験の段階でも、教員養成関係学部への入学は今や広き門だ。教員志望者は、必ずしも同世代の優秀な人材とはいえない。
このような背景を考えると、教科書の親切設計が必要なことにも納得がいく。納得しづらいのは、そうまでして進める教育改革の思考様式であり、改革の実現可能性である。
20年から本格化する新指導要領では、小5から英語が教科となる。算数などではプログラミングを教える。18年から道徳も教科となった。英語教育の教員免許も持たず、プログラミング経験もない小学校教員に、これだけのことがこなせるのか。子どもが英語を話せるようになったほうがよい。AI(人工知能)が高度に発達する時代を考えれば、子どものときからプログラミングを教えることも重要だ。しかし、である。
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