昨年末から続く米連邦政府機関の一部閉鎖は1カ月を超え、1995年の21日間を抜いて史上最長となった。だが、35日目の1月25日、トランプ大統領は民主党の提案を全面的に受け入れ、2月15日までの期限付きで政府機関の再開を発表した。
月給制が多い日本と異なり、米国の公務員の給料は2週間に1度支払われる。2019年最初の支給日である1月11日には、多くの公務員に給料が払われなかった。
その3日前の8日、ツイッターでの発信を好むトランプ大統領が、自身初のテレビ演説を行った。「メキシコ国境は大量の違法薬物のパイプライン(輸送路)となっている。何千人もの米国人が不法移民に殺される人道的危機だ」と主張。違法薬物がもたらすコストは年間5000億ドルを超えており、「壁の建設費用の57億ドルはすぐに元が取れる」として必要性を訴えた。この演説の数字の根拠は不明な点が多く、民主党は譲歩しなかった。
次の給料日前日の24日、議会上院は事態打開のために与野党それぞれの予算案を採決した。共和党案は「国境の壁」建設費を含むもので、民主党案は2月8日までのつなぎ予算で国境の壁の協議を先送りするものだった。だが、両案とも否決された。
ところが1月25日、トランプ大統領が期限付きながらも、壁建設の費用については1ドルも含まない民主党案に沿った合意を行った。そのため、民主党のナンシー・ペロシ下院議長の勝利と喧伝された。
トランプ大統領の妥協の背景にはCNNの世論調査の数字、政府閉鎖の責任は「トランプ・共和党が54%」、「ペロシ・民主党が34%」があったようだ。また、1月9日に下院多数派の民主党が主導して政府機関再開に向けた法案を採決した際、壁建設費を含まないにもかかわらず8人の共和党議員が賛成しており、共和党結束の緩みを警戒したとも思われる。
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