カリフォルニア州の3分の2の地域にガスと電力を供給する大手PG&Eが、米国時間1月14日に破産法適用申請の準備を進めていることを明らかにし、各方面に混乱を巻き起こしている。
破産申請の理由は、ここ数年で巨額に積み上がった山火事に対する損害賠償金だ。同社の時代遅れの設備や垂れ下がった電線からの発火が、カリフォルニア州での大規模な山火事を引き起こした、と訴えられている。
2017年には17件の山火事で、同社が原因と特定された。同年で最悪となった、通称「ダブズ・ファイア」(サンタ・ローザ市を燃やし22人が死亡)の責任も審査中だ。
また昨年は、カリフォルニア州最大級の山火事「キャンプ・ファイア」によって、リタイアメント・コミュニティー(退職した高齢者が多く住む地域)のパラダイス市を含む1万4000軒の住宅が燃え、85人が死亡。この火事でもPG&Eとの関連が調査されており、賠償責任が100億ドル以上と見積もられている。過去2年の賠償責任は、総額で300億ドルを超すとみられている。
同社は、「手元に十分な資金がなく、破産法適用を経た再建によって賠償金支払いの履行が可能になる」と主張している。
だが、山火事の被害者らは破産法適用により請求額が大幅に減額されることを予想して、すでにアクティビストらとともに申請を食い止めようと運動を開始した。
しかしこの問題は、カリフォルニア州の電力の未来についても大きな疑問を投げかけている。
というのは、カリフォルニア州は再生エネルギーの利用拡大を目指す先鋭的な存在として、45年までに必要な電力はすべて二酸化炭素を排出しない「カーボンフリー」によって生み出すことを目標として掲げてきた。だが再建のプロセスで、PG&Eに電力を供給する太陽光発電会社などとの契約が、再交渉や停止の対象になる可能性も高い。そうなれば、せっかく勢いのついた再生エネルギー経済圏が、壁にぶち当たることにもなる。
この記事は有料会員限定です
残り 666文字
