円は昨年12月半ばから上昇を始め、今年1月3日に対ドルで1ドル=104円台前半まで急激に上昇した。12月17日の113円台半ばから2週間強で8%程度急上昇したことになる。もっとも、その後円は反落しており、上昇分の半値まで下がった。
本邦投資家の対外証券投資データを見ると、こうした年末年始の激しい円相場の動きの一部に日本の投資家による外国株・外国債券の取引が影響していた可能性がうかがえる。
日本の12月の証券投資データを見ると、投資信託委託会社等が9576億円も海外の「株式・投資ファンド持ち分」を売り越していた。投資家の内訳がわからない週間ベースのデータからこれだけ多額の売り越しが判別できなかったのは、他方で銀行等(銀行勘定)と生命保険会社が合計5533億円も買い越していたからだ。
銀行等(銀行勘定)と生命保険会社による買い越し分の多くは為替ヘッジ付きの投資ファンド持ち分で、投資信託委託会社等による売り越し分の多くが為替ヘッジなしの外国株式であった場合、12月後半の円上昇に後者のフローが影響していた可能性がある。
そのように推測するのは、過去にも投信が大幅な売り越しに転じた月に円が上昇しているからだ。2018年2~3月、17年3月、16年4月にも投信は海外の株式・投資ファンド持ち分を比較的多額に売り越している。これらの月はいずれも比較的大幅な円高となった。また、これらの月は17年3月以外、世界の株価が比較的大きく下落した月もしくはその直後となっている。こうして見ると、世界の株価が大きく下落したことを受けて、投信が外国株の売却を余儀なくされたことが、ある程度円高を牽引していた可能性が考えられる。
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