昨年末から年初にかけて、世界的に株式市場がにわかに調整色を強め、年初には円が一時急騰した。それらの底流にあるのは、世界経済の悪化への懸念だ。
円は世界経済の状況を最も敏感に反映する通貨である。世界経済の堅調は、外需依存度の高い日本経済と日本株には追い風となる。それは、日本の投資家のリスクテイク余力を高め、海外への投資を活発化させて円安傾向を生む。その円安がまた日本経済や株価に好影響をもたらし、日本の投資家の海外投資を促すという好循環が生じる。
しかし、ひとたび世界経済に減速懸念が生じれば、こうした循環は逆回転を始め、日本の投資家はリスク回避のために海外資金を引き揚げる、あるいはそうした観測から円高が進みやすくなる。年初は、まさにこうした局面にあった。
すでに2018年初を境に世界経済の勢いは落ち始めたと考えられる。それでも、金融市場の景況感が顕著に悪化しなかったのは、ひとえに、米国経済が堅調を維持していたためだ。しかし、この米国経済の堅調は、大型減税などによっていわば無理やり実現された側面が強く、持続可能ではない。
今後、米国経済指標に実際に弱さが見られれば、金融市場は世界経済の後退局面入りの可能性まで、徐々に織り込んでいくことになろう。年前半の米国経済指標は大型減税、インフラ投資の効果一巡、ドル高による輸出減速などから、下振れしやすい。とくに1〜3月期の経済指標は、経済統計のクセ、悪天候と政府機関閉鎖の影響などから、実勢より弱めに出る傾向がある。金融市場では景況感の悪化を映した株安傾向が続き、円高傾向もさらに強まるのではないか。
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