株価の変動は年が替わってようやく収まってきたが、日米で高値から20%前後に達する大幅な株価の下落に対しては、「なぜこれほど下げたのか」との声が市場では多く聞かれた。株価だけでなく、米国債10年利回りはピークから一時0.7%ポイントも低下し、日本国債10年利回りもマイナス0.05%をつけた。各市場で、「なぜここまで」という声が多かった。
市場参加者の多くがこの大きな市場変動に違和感を持ったのは、足元の経済指標が先進国、新興国ともにまだそれほど大きく崩れていないためであろう。株式に関して言えば、企業業績に大きな変調を来しているわけではなく、バリュエーション指標は軒並み株価の割安さを示すものとなっている。
これに対して、「株価は実体経済に先行するので、先行きの景気後退を示唆しているのだ」という主張もある。しかし、株価の先行性といっても、景気指標に対して半年も1年も先行するようなものではない。
例えば、S&P500株価指数の前年比と米景気の代表的な先行指標であるISM製造業景況指数とを比べると、わずかなタイムラグで高い相関が観測される。年末時点でのS&P500指数の前年比8%下落という数値は、ISM製造業指数が近々46、47といった水準まで低下することを示唆するものであるが、同指数は12月に急低下してようやく54.1となっている。株価と実体経済との間にギャップがあるという見方は正しいのである。
市場と実体経済のギャップが生じている理由としては、次のようなことが考えられる。
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