世界的に株価の軟調地合いが続き、経済指標も予想を下回ることが多くなっている状況下、来年の世界経済に対して弱気な見方が徐々に増えてきている。
JPモルガンも市場のセンチメントの悪化や、米中貿易摩擦等の地政学的リスクの存在などから、それほど来年の見通しに楽観的なわけではないが、それでも経済のファンダメンタルズが基本的に良好であることから、来年も世界全体で3%台の成長を維持すると予想している。世界の潜在成長率は2.6%程度とみられていることから、それよりは高い成長率が続くとの見立てだ。
筆者もマーケットは世界経済に対してやや悲観的すぎるのではないかと感じている。たとえば、現在、米国、日本、ユーロ圏、英国のいわゆるG4通貨国の実質政策金利はすべてマイナスである。リーマンショック前の米国、ユーロ圏、英国の実質政策金利はプラス3〜4%だったことを考えると、現在の金融政策は依然として緩和的であるといえる。
FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げが来年何回行われるかが話題になっているが、過去60年間で見て、FRBの実質政策金利がプラス1.8%以下のときに米国経済がリセッション入りしたことはない。米国の実質政策金利は現状マイナス0.3%程度だから、インフレ率が変わらなかったとしても、FRBには比較的大きな利上げ余地があるといえる。
米国のイールドカーブのフラット化を懸念する声もある。過去のリセッション時にはリセッション入りする1〜2年前に、米国の2年金利と10年金利が逆転している。しかし、過去に現状程度のイールドカーブのフラット化(2年と10年の金利差が12ベーシスポイント程度まで縮小)した後、リセッションが本当に始まるまでに何が起きていたのかを検証すると、過去3回とも株価が2ケタの上昇率を示している。イールドカーブのフラット化は確かに懸念材料だが、本格的にリセッション入りを懸念するには早すぎるのだ。
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