ソニーを攻撃?北朝鮮「121部隊」の正体 元CIAの北朝鮮専門家に聞く

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そのようなメディアは、かつてより多く入り込んでいます。反体制派は風船を使って、情報の入った小型メモリーやDVDディスク、パンフレットを北朝鮮に持ち込んでいます。しかし、政府は非常に強い対応を行ってきました。韓国のテレビドラマのDVDを自宅に所有しているだけで刑務所に入れられることがあります。それを理由に、処刑された者がいるとの報告もあります。

金正恩の政権下で弾圧は強まりました。解放が進んでいることの指標として、北朝鮮で利用されている携帯電話の増加を挙げる人たちがいます。実際には、それらの携帯電話で現実に国外につながるものはほとんどありません。

――ソニーへのサイバー攻撃は、金正恩の態度と権力支配について何を表しているのでしょうか。

金正恩の支配力の強さと政権の安定に関しては、北朝鮮ウォッチャーの間で議論がありました。それは、金正日の死去とその直後の金正恩の継承以来続いています。私は、体制は機能するとつねに考えてきました。権力の移行はスムーズに行われました。金正恩が絶対的指導者である兆候は、最初から見て取れました。彼が党、軍および政治を支配していたはずです。権力の3つの機関を支配する6つの最重要のポジションは、早いうちに取得しました。

私たちは、数百どころか数千人の当局者が粛正されるのを見てきました。それを弱さと考える者もいました。政敵に囲まれた金正恩が必死にクーデターや暗殺の試みを防ごうとしていると考えたのです。私は、粛正は強さの象徴だと思います。金正恩の考えでは、最上層の幹部、それどころか北朝鮮ナンバー2の権力者とされていた自分の叔父すらも粛正していいのです。

金正恩は、反発を恐れることなく軍の上層部や、自分の叔父さえ交代させることができる強い自信を持っています。国防大臣と参謀総長のそれぞれを少なくとも5回は交代させています。しかし、金正恩に対する反発はありません。政敵になりうる者らは皆、金正恩が支配するさまざまなセキュリティ機関を非常に恐れています。

政権は安定しています。だからといって、よい政権だというのではもちろんありません。でも、金正恩は実権を握っています。軍に強硬派がいて権力を握っているという考えは正しくありません。権力を握っているのは金正恩です。

121部隊とは?

――ソニーにサイバー攻撃を行ったとされる121部隊とは?

121部隊は、2010年に韓国の軍艦天安を沈没させた軍内部のセキュリティ機関、朝鮮人民軍偵察総局の下位組織です。多くの秘密工作、そして奇襲行動さえ行っています。121部隊からの離反者が活動範囲と手口を明らかにしています。およそ3000~5000人のサイバー兵士と呼ばれる者で構成されています。また、軍など、政府の他部門に属する他のサイバー部隊も存在します。

離脱者によれば、工作員は北朝鮮内で訓練を受けます。中国やロシア、その他の国で追加の訓練を受ける者もいます。工作員はできるだけ活動を知られないよう、通常は北朝鮮国外では活動しません。しかし、時として中国や東南アジア、ヨーロッパから、あるいはコンピュータを利用できさえすればどこからでも活動することがあります。中国で訓練を受けたり、活動したりしていますが、中国政府がそのことを知っているかどうかはわかりません。

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