銅相場が急落している。6月初旬に年初来高値となる1トン当たり7350ドルをつけてから一時はフシ目の6000ドルを割り込んだ。7月23日に中国が緊急景気刺激策を発表したことで反転したものの、地合いは弱い。
急落しているのは銅だけではない。亜鉛、鉛、アルミニウムなど産業用メタルや、金、銀など貴金属も総崩れ状態だ。亜鉛などは、高値からの下げ幅が弱気相場の目安となる2割を大きく超えており、単なる水準調整では片付けられない。メタル相場に限れば「5月に売り逃げろ」の格言が今年ほど当てはまる年はなさそうだ。
産業用メタルは米国の対ロ追加制裁やチリ銅鉱山の労使交渉、中国の環境規制強化といった供給側要因に加え、米国を中心とする主要国の堅調な経済という需要側要因を背景に、底堅い値動きを続けていた。それが一変して急落に転じたのには訳がある。
銅相場とぴったり相関して下落しているのが中国の人民元だ。銅相場は中国経済の変調をいち早く察知して動いていると考えられる。銅をはじめとする産業用メタルの世界最大の需要国は中国であり、人民元と銅相場は中国経済の健全性を映す鏡でもある。
中国政府は2014年ごろから「新常態」なる経済テーマを掲げ、投資依存型成長からの脱却と質の向上を目指した経済の構造転換を図ってきた。しかし景気が低迷した16年後半以降、再び投資依存による成長モデルに舵を切り直した経緯がある。方向転換の良しあしは別にして、17年には米中経済の堅調さに引っ張られてグローバルに適温経済が具現化し、結果的に株式相場も商品相場も大きく上昇した。今年に入ってからもトランプ減税の効果もあり米国が牽引役となって、世界経済のモメンタムは何とか維持されてきた。
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