米国の貿易での対中強硬姿勢に対し、中国は一歩も譲らない。8月4日、中国の王毅外相は通商協議の再開に向け、米国のポンペオ国務長官と合意したと述べた。ところがその数時間後に、中国商務省は米国からの600億ドル相当の輸入に対する関税率の引き上げを発表した。米国が2000億ドル相当の中国製品に対し、関税率を25%に引き上げる方針を示したことへの報復だ。さらに8日には、米国が7月6日に発動済みの340億ドル分に続き、160億ドル相当に25%を課す関税引き上げを発表したことに応じて、中国も液化石油ガスを含む160億ドル相当の米国からの輸入品に25%の追加関税を適用すると、発表した。
市場では当初、中国は米国主導の貿易戦争に引き込まれることなく、受け身でうまくかわすという観測が優勢であったために、報復措置の応酬は意外ですらあった。というのも、中国は6月末、自動車や商業銀行分野などで外資出資規制の撤廃を発表するなど、米国を含めた外国勢に対して市場の門戸を開放する方針を取っていた。また、中国共産党中央政治局常務委員会の会合で、中国は成長安定策として内需拡大を目指す姿勢を示し、外需の落ち込みを内需刺激によって補い、米国からの市場開放および改革への圧力を国内経済の利益につなげようとしていると、理解されていたからである。
ところが、米国の圧力増大にあおられるように、報復合戦で応える背景は何か。三つ指摘したい。
第一に、中国は「メード・イン・チャイナ2025」と表現される、技術革新による経済規模の拡大を目指しているが、トランプ政権の本当の目的はその阻止にあると、中国が気づいたことがある。だから、要求は簡単にのめない。
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