日本銀行の金融政策がわかりにくいという声は、2016年9月のイールドカーブ・コントロール政策(YCC)の導入以降に聞かれるようになった。先月末に日銀が決定した「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」でその声は一層大きくなったようだ。
「なぜ物価見通しを下方修正しておきながら、長期金利の上昇を容認するような政策の調整を行うのか」という疑問の声は多い。YCCも「金融緩和強化のための新しい枠組み」と銘打った政策であったが、実際には、その直前に30年債金利までほぼゼロ%に低下していたイールドカーブ(横軸に債券の残存期間、縦軸にその利回りをとってつないだグラフ)全体の水準を引き上げる目的で行われた。
YCCと今回の政策調整は、金融緩和の「副作用」を軽減するという意味では一貫している。主に10年を超える超長期債での運用を行う生命保険、年金などの経営への配慮からYCCは導入された。だが、10年債がほぼゼロ%にとどまる状況では、銀行の経営が長期的に悪化する懸念があるため、今回の政策修正に至ったわけである。
元をたどると、一連の問題を引き起こしたのは14年10月の「量的・質的金融緩和(QQE)第2弾」による追加緩和と16年1月のマイナス金利導入決定であった。
年間20兆〜30兆円の国債発行純増額の3〜4倍もの国債を日銀が吸収するQQE2は、国債需給に強烈なインパクトをもたらした。その需給状況の下で導入されたマイナス金利によって、金融機関の余剰資金が短期金融市場から締め出され、長期金利の劇的な低下につながった。QQE2とマイナス金利の合わせ技がここまでのインパクトを持ち、それが金融機関経営に打撃を与えることを、日銀も十分想定していなかったようだ。
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