水産最大手、マルハニチロの変身ぶりが株式市場で話題になっている。株価は2月末終値の3160円から5月18日には一時34%高の4230円と上場来高値をつけた。直近も4100円前後で推移。同社のIR(投資家向け広報)担当者も驚く状況だ。
端緒は3月5日に発表された新中期経営計画。冷凍食品など加工事業や豪州・北米を中心に海外事業を強化し、2022年3月期に売上高1兆円(18年3月期9188億円)、営業利益310億円(同244億円)を目指すものだ。

同時に新たなブランド戦略を導入。社名ロゴを4月に刷新し、「マルハ」「あけぼの」「アクリ」が混在する商品ブランドも今秋から「マルハニチロ」へ順次統一することを決めた。
その翌日、証券会社で唯一同社をカバーする岡三証券のアナリストが目標株価を4100円へ引き上げた。リポートでは「同社の前向きな事業への取り組みは市場で十分に評価されていない」とした。
5月7日の決算発表では、今19年3月期の営業利益予想を前期比2%増の250億円にとどめ、一見平凡な印象だった。ただ、業績が上向きで食品株の中では割安感が強いことなどから、株価はむしろ上昇した。
拡大続く冷食市場の雄
市場の注目点は、同社がニチレイと並ぶ冷食の国内トップメーカーであることだ。国内冷食生産量は昨年、過去最高を連続更新。伊藤滋社長は「単身世帯が増え、時間の価値が高まる中、冷食は間違いなく時代が求める市場」と決算説明会で語った。今後は積極投資で市場拡大に対応しつつ、生産拠点再編や単品損益管理の徹底、ブランディング推進を通じ、ニチレイに劣る利益率の向上を図る。
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