3月4日にイタリア総選挙が行われた。政局はまだ流動的だが、金融市場にとってのイタリアのリスクを総括しておくことにする。
選挙結果を見ると、単独政党ではポピュリズム政党の「五つ星運動」が得票率32.4%で第一党となったが、連立では「フォルツァ・イタリア」(FI)と「同盟」(旧称・北部同盟)を中心とする中道右派連合が37.3%と最も票を集めた。現与党の民主党(PD)を中心とする中道左派連合は振るわず、2014年総選挙時の41%から19%に低下し、PDのレンツィ代表は辞任表明に追い込まれた。
問題の一つは、どの政党も過半数に足りない状況であり、もともとイタリアの問題であった小党分立による政策決定力の弱さが継続してしまうことだ。
しかも、有権者は既存の主要政党の政治が成した現在のイタリアに不満があり、反体制派の政党が勝利した。五つ星がイタリア南部で善戦したのは南部の相対的な経済低迷が理由であり、北部を支持基盤とする同盟が前回以上に得票した背景には、ここ数年の移民の流入増加への反発がある。
FIの得票が伸びなかったため、その主張である並行通貨制度(ユーロを持ちつつリラを復活させる)案は却下される可能性が高いなど、極端な政策には傾倒しないかもしれない。だが、反ユーロを掲げる五つ星と、中道右派連合に属してはいるが反ユーロの同盟が合わせて50%前後の票を獲得したことを踏まえれば、再び反ユーロ、ポピュリズムの流れが強まりかねない。
具体的な政権構想は、五つ星が中道左派の一部を取り込むか、五つ星と同盟との連立か。それが難しければ従来どおりの中道右派と左派の連立もありうるが、いずれにしろ、従前政権に比較して、ポピュリズムの流れが出やすい状況になった。
この記事は有料会員限定です
残り 668文字
