このところ、AIや自動運転の話題で持ち切りである。われわれはどうやら新たな産業革命の渦中に生きているらしい。だとすれば、元祖産業革命をレビューしてみるのも悪くなかろう。うまくすると未来の透視図が見えてくるかもしれない。
元祖産業革命の本質は動力革命で、蒸気機関の市販開始によってスタートした。現在進行形の産業革命の本質は制御革命で、起点はトランジスタの市販開始と見ることができよう。そのトランジスタの市販開始年に元祖産業革命の起点を重ね合わせてみると、続くイベントは何年ごろに起きたことになるのであろうか。
以下は単なる思考実験にすぎないが、考えさせられるところは少なくない。織機を駆動していた水車を蒸気機関が置き換えていったのは1960年代、機関の小型化と高圧化が進んで蒸気機関車が商業運転を開始したのは2000年ごろ、電気モーターが登場するのは50年ごろ、石炭ベースの蒸気機関を石油ベースの内燃機関が駆逐してしまうのは75年以降となる。
とかくわれわれは過去と現在を比較して、進歩の速さに驚くが、現在を未来に照らしてみると、われわれはまだまだ入り口をさまよっているだけで、なんと「大草原の小さな家」より前の時代を生きている。すでに起きたことに感嘆している暇があるなら、遠大な未来に思いを馳せたほうがよさそうである。
もちろん、現在進行形の革命が元祖産業革命と同じペースで進むとは限らない。しかしながら、水車を真空管とすれば、蒸気機関はトランジスタ、そして小型機関は集積回路。羊毛をラジオとすれば、綿布はテレビ。そして鉄道網は光通信網という具合に、ここまでは見事なまでにタイミングが一致する。
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