2年前の夏、訪日観光客の需要に沸いた時計業界。だが、ブームは去り、売上高は以前の水準に落ち着いた。日本メーカーは成長に向け、スイス時計の牙城だった高級品に攻勢をかけている。シチズン時計も2016年にスイスのフレデリック・コンスタント(FC)社を買収し、米国で拡販を目指す。戸倉敏夫社長に今後のブランド戦略を聞いた。
──訪日客の爆買い需要が落ち込んでいる。
訪日客の需要は15年の夏ごろがピークで、当時は国内販売の3割強を占めていた。が、今でも約2割が訪日客の需要だ。政府の戦略もあり、訪日客はまだ増えていくので需要を取り込む。
──国内需要は回復しているか?
内需は緩やかな回復基調にある。「マルチブランド戦略」(M&Aで数十万円超の高価格帯ブランドを拡充し、シチズンは数万円の中価格帯で展開する)を具現化したのが、4月にオープンしたギンザシックスの店舗だ。幅広い価格帯をそろえ、ブランドを発信する場にしたい。空港の免税店とは異なるものだ。
──北米で各ブランドの販社を統合する。狙いは?
北米はマルチブランド戦略を先行させている。17年1月に中価格帯のブローバとシチズンを統合した。来年1月には、16年7月に買収が完了したFC社(価格帯は20万~50万円程度)も統合する予定だ。
一つの会社が三つのブランドを販売することで、価格帯ごとに攻めるブランドを使い分ける。統合によって、倉庫など間接部分の効率化もできる。今年は米国で販売体制を確立し、18年ごろからアジアなど、ほかの地域にも広げていきたい。
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