バレンタインデーにすっぽかされた約束はホワイトデーにも果たされなかった。経営危機に陥っている東芝は3月14日、異例の決算再延期を公表した。
子会社の米ウエスチングハウス(WH)の内部で、一部経営者による不適切な圧力があり、過去にさかのぼって会計を精査する必要があるという。東芝自身がやっていたように、決算の「チャレンジ」が行われていたとしたら、因果は巡るといえようか。
すでに白モノ家電と医療部門は切り売りしてしまった。今回は虎の子のフラッシュメモリ部門を分社化し、株式の過半数売却を進める。WHも株式売却を検討し、新生東芝は社会インフラが主体の企業として再出発する。
WHに買い手はつくのか、追加損失のおそれや訴訟リスクなどいばらの道は続くだろう。今頃になって2006年のWH買収が失敗だった、東日本大震災後に方向転換すべきだったなどの批判が飛び交っているが、過去を悔やんでも始まらない。大事なのはこれからどう生き残るかだ。
気になるのは、東芝を助けたくて仕方がないように見える政府の態度だ。
世耕弘成経済産業相によれば、米国のロス商務長官は会談で、「東芝の財政的安定性は米国にとって非常に重要」と述べたという。これは素直に受け止めがたい。そんな機微に触れることを、世耕経産相はなぜ記者会見で口にしたのか。「東芝を助けよう」という雰囲気を醸成するために「ガイアツ」を利用しているのではないのか。
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