インドのナレンドラ・モディ首相が政権の座に就いてからもうすぐ3年が経つ。知事としてグジャラート州の経済改革を成功させた手腕から、就任当時は絶大な人気を誇った。
モディ首相はインドの政治家としては極めて清廉潔白な人物だという。それは妻子がおらず、親族も質素な暮らしをしているからだ。
インド人は家族優先主義がすさまじい。身内のためなら他を顧みない傾向がある。それが汚職や政治腐敗につながっている。
モディ政権下のインドはGDP成長率が7%台で推移し順調に成長している。ただ最近は「もっと爆発的な成長がないと恩恵が隅々まで行き渡らない」という不満の声が聞かれるようになった。
人気が揺らぎ始める中、昨年11月に首相は突然「1000ルピー札と500ルピー札を廃止する」と宣言した。
発表から4時間後には紙幣としての効力がなくなるため交換が必要になる。発表を受けて、銀行やATMに人々が殺到し長蛇の列となった。
1000ルピーは日本円で1700円に相当し(3月8日時点)、当時の最高額紙幣だった。500ルピーは2番目の高額紙幣に当たる。高額紙幣は偽造が横行しており、対策が急務だった。
2紙幣の廃止に合わせ、2000ルピー札と新500ルピー札が新たに発行されたが、これを機会に紙幣の発行量を極力抑え、電子決済の導入を広げ、脱税や裏金の防止を一気に進める狙いもある。
ある調査によれば、インドのブラックマネーはGDPの25%に上るという。これが賄賂として使われ、政治腐敗につながっている。この元凶の撲滅は喫緊の政治的課題だった。
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