「6月にはインドで6基受注できる」──。
東芝の子会社で原子力会社の米ウエスチングハウス(WH)。ダニー・ロデリック社長が5月の本誌取材で明言したように(→関連記事へ)、インドでの受注が確実になってきた。
米オバマ大統領と印モディ首相は、6月7日に首脳会談を行い、インドにWH製の加圧水型原子炉「AP1000」を6基建設することで合意した。WHとインドの原子力発電公社が2017年6月までに正式契約を結ぶ。
受注額など詳細は明らかになっていないが、建設を含めた1基の総事業費は通常、4000億~5000億円といわれる。6基となれば3兆円近くに上る可能性もある超巨額案件だ。これに燃料供給なども加われば、運転開始後も継続して収益が見込める。
世界原子力協会によると、現時点での候補地は、モディ首相の出身地グジャラート州のバーオナガルだ。
東芝とWHにとって、久しぶりの明るい話題となった。11年3月11日の福島原子力発電所事故以来、原発の新設について各国が規制を強化し、ドイツやスイスは撤退。建設は世界的に減速している。
WHは現在、米国と中国で計8基を建設中だが、すべて07~08年に受注したもので、それ以降に建設を開始した原発は1基もない。5月には、東芝がWHののれん2476億円を減損するなど、原発事業に暗雲が漂っていた。
インドは1974年に核実験を実施したことで国際社会から孤立し国産炉の建設を進めてきた。その後、08年に原子力供給国会議で、同国への核技術や燃料輸出が解禁された。それでも、事故が発生した際にメーカーが一定の賠償責任を負う、インドの国内法が、海外メーカーの進出にとってネックとなっていた。
この記事は有料会員限定です
残り 617文字
