インド準備銀行(インドの中央銀行)のラグラム・ラジャン総裁が退任すると表明した。モディ政権とラジャン氏との間で軋轢があったことは周知の事実だが、このように国益を損なう行動をインド政府が取るとは驚いた。
ラジャン氏は金利を徐々に引き下げ、物価安定を図るべきだと主張していた。しかし政府は金利をより大胆に引き下げ、成長に弾みをつけたいと考えていた。
政府はラジャン氏の知識人としての側面を高くは買っていなかった。そうした中、突然政府筋からラジャン氏への批判が噴出したのだ。これまでの業績を疑問視し、「インド的」ではないとこき下ろした。
双方の立場で意見はあるだろう。しかし、やはり政府はラジャン氏を再任したほうがいいと私は考える。それには以下の理由がある。
第一に、ラジャン氏の退任は海外投資を呼び込もうとする政府の姿勢と相いれないことだ。モディ首相は就任以来、外国人投資家に“インディアンドリーム”を売り込んできた。取り組みは奏功し、資本流入に弾みがついた。最近も外国人持ち株比率100%の企業を認める政策を発表し、インドの市場開放を示すメッセージと受け取られた。ラジャン氏が退任すれば、こうした改革のイメージは薄れるだろう。
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