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あいかわらずトランプ米国大統領が騒がしい。いま話題なのは、就任早々に発したイスラーム7カ国からの米国入国禁止の大統領令である。この稿を起こしている時点では、いったんその大統領令に効力停止の仮処分が決まり、連邦控訴裁判所もそれを支持した。しかし政権側は承服せず、どうやら最高裁までもつれこむ見通しである。
トランプは大統領になる前から、ムスリムに限らず、移民の流入に批判的で、メキシコとの国境に壁を作る、といっていた。その壁の建設も実際に始まったらしい。
米国は移民がつくった国である。その米国が移民を制限するというのだから、よくよくの事情があるにちがいない。大統領令に荷担する向きが少なくないのは事実であって、イスラームはテロ、メキシコは不法移民が主たる理由のようである。
そうはいっても、大統領令に対する反撥は内外で激しい。なればこそ裁判沙汰が続いているわけである。
歴史で繰り返される壁作り
米国人でもなければ、米国のことを何も知らない筆者に論評する資格はない。しかしいわゆる辺境・境界において、そこでの人の移動をいかにコントロールするかは、きわめて重大なことである。古今東西かわらない。
このグローバル時代、われわれの感覚だと国境に壁を作るなど、ムチャクチャだと思うだろう。しかし人類は似たことを、歴史で繰り返してきた。
近い時代には、ベルリンの壁がある。第2次大戦後、米ソ冷戦でドイツは東西に分断、首都のベルリンも同じく分割され、共産圏の東ドイツ領内にある西ベルリンは、西ドイツに属した。西ベルリンに逃亡する人が多かったため、それを阻止すべく設けられた壁である。1989年にこの壁が崩潰し、やがてソ連と共産圏も消滅するにいたった。
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