有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #歴史の論理

事大・卑日で揺れる日韓スワップ協定 冷遇された中国にまたぞろ頼るのか

3分で読める 有料会員限定
  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

INDEX

韓国のいわゆる市民団体が釜山(プサン)に「慰安婦像」を設置したことをめぐって、日韓の外交関係が揺らいでいる。今度は日本も譲歩する気配を見せない。韓国側はそれに対し、朴槿恵(パククネ)大統領が職務停止中という政権不在もあって、国際慣例を逸脱した主張が横行し、竹島に「慰安婦像」を設置しようとする運動すらあった。今後の展開はいよいよ不透明になっている。

しかし先行きが見えないのは、目につく外交ばかりではない。もっと基層レベルの経済もしかり、たとえば、金融危機時にドルを融通しあう日韓の通貨交換、いわゆるスワップ協定である。

この協定は2015年2月に、いったん終了している。しかし昨年8月、経済状況が悪化した韓国側の提案により、日韓は協定再開に向けた協議をはじめることで合意した。このたび「慰安婦像」設置による駐韓大使の一時帰国にあわせ、その協議中断も決まったのである。

中国もあてにならず

ドルを融通してもらうスワップは、韓国ウォンの安定に欠かせない。韓国はこれまでも、通貨危機をそれで乗り切ってきた。日韓スワップの終了は経済大国になった中国からの融通をあてにしたもので、卑しむべき日本から離れて中国に頼ろうとした朴槿恵外交の一環である。

しかし北朝鮮の脅威が増大、あるいは韓国経済の悪化に、中国がはかばかしい動きを示してくれなかったことから、朴槿恵政権は日米の側に回帰してきた。とりわけ地上配備型の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の配備をめぐって、中国はにわかに韓国を冷遇しはじめ、中韓スワップの継続も怪しくなったので、日本にあらためて頼ろうとしたのである。

そこに起こったのが、昨年末の大統領弾劾と職務停止である。韓国は現政権の機能がマヒしたばかりか、左翼政権が生まれる公算も大きくなった。加えて「慰安婦像」設置で日本との関係が悪化したから、またぞろ中韓スワップの構想が出てくるのも、不自然ではない。宋寅昌(ソンインチャン)国際経済管理官は1月17日の記者懇談会で、10月に期限を迎える中韓スワップ協定は延長で合意し継続できる、との見通しを述べた。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数