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慰安婦問題に潜む儒教の国・韓国の世界観 朴槿恵退陣を「名誉革命」と呼ぶ自尊意識

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  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

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慰安婦問題が騒がしい。2016年末、釜山(プサン)の市民団体が日本総領事館前にいわゆる「少女像」を設置した。日本側はこれに反撥し、駐韓大使と駐釜山総領事が17年1月9日から一時帰国している。15年、「最終的」「不可逆的」に問題を解決するとした日韓の合意に背くとみなしたからであり、今回の騒動は日韓の外交関係に大きく影響を及ぼした。

慰安婦問題は難しい。国家間の戦後処理・外交関係ばかりでなく、より一般的な人権・人道も絡んでいる。問題の定義から論議がかみ合わないこともしばしば、今回はもちろん、以前よりそうだった。

一般の理解はそんなところだろう。しかし歴史を考え合わせると、この問題は日韓間のほかの懸案と同じく、もう少し根が深いような気がする。

政治体制と世界観が絡む

いわゆる市民団体の慰安婦像設置は、日韓合意そのものに対する反対行動にほかならない。つまりは日本のみならず、韓国政府に向けた批判であり、また韓国の野党もそれに乗じ、政府への攻撃を強めている。

つまりは外交関係を顧みない、あるいは対外関係を利用した政争であって、それなら現在に限ったことではない。朝鮮近代史、とりわけ19世紀末から顕著になってきた現象で、以後はるかに南北の政権分立にもつながってくるものである。

こう見ただけでも、目前の慰安婦問題が韓国史上の政治・外交に深く根ざしたものだとわかる。だとすれば、韓国の歴史的な政治体制とそれを裏付ける世界観と切り離して考えられない。それを抜きにした慰安婦問題の議論は、その場しのぎ、対症療法では有効であっても、根本的なところに触れないことになる。

今回、韓国でよく聞かれるのは、日本に「誠意をもって謝ってほしい」という声である。日本人なら問題の性格・定義・帰趨が明確にならないのに謝罪などありえない、と考えるのが普通だが、韓国ではそうではない。とにかく頭を下げろ、というのは、少なくとも相手に対し自らは悪くない、上位にいるという感覚であって、こうした声が自然と出てくるところに、どうやら根本的な前提がありそうである。

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