日本銀行の政策に翻弄される国内投資家と、それを尻目に一段と買いを増やす海外投資家──。債券市場のそんな構図が、日本証券業協会が10月20日に公表した9月の公社債投資家別売買高から浮かび上がった。
目立った動きがあったのは、年限15年以上の超長期債と同2〜5年の中期債だ。前者については、7月、8月と買い越していた都市銀行と地域金融機関が、共に売り越しに転じた(図表1-下表)。
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7月29日の金融政策決定会合で日銀が9月に総括的検証を実施すると発表すると、イールドカーブ(利回り曲線)をスティープ化(長短金利差が拡大)させる政策を採るとの観測が高まり、超長期金利が上昇(価格は下落)。都銀と地域金融機関は押し目買いに走った。ただ9月に入り、一段と金利が上昇すると、想定以上の上昇幅と長期化によりリスク許容度が低下。売りに転じたとみられる。
超長期債の購入主体である生命保険会社は、7月に20年物国債利回りが一時マイナス圏に突入するなど、採算に合わない水準まで金利が低下したことで、運用先を外債などにシフト。「日銀の許容する金利水準が見えてくると押し目買いを入れてきそうだが、まだ出方を探っている状態」(野村証券の多田涼子・債券アナリスト)で、積極的な買いは見られなかった。
一方、中期債で存在感を示したのが海外投資家だ。2〜5年債の買越額は、前月の9702億円の倍の1兆9310億円に急増した。金利がマイナス圏にあるにもかかわらず積極的に買い増している背景には、通貨スワップ取引を用いたサヤ抜きがある。
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