電通社員の過労自殺事件で、あらためて長時間労働が問題視されている。
パートタイム労働者を含めた全体の年間総実労働時間は減少を続けるが、それでも独仏の1300〜1400時間と比べると長い。しかもこの減少はパート労働者比率の拡大が原因であり、一般労働者の総実労働時間は減らずに2000時間を超えている状況だ(図表1)。
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日本の長時間労働は複雑な構造問題だ。海外では経営幹部候補と一般労働者は明確に区分され、前者は日本人以上に長時間働くが、後者の残業はまれ。ところが日本型雇用慣行では新卒一括入社で全員が経営幹部候補のように職務無限定の働き方を求められ、社員も昇進を気にして、長時間残業の競争に陥りやすい。
また残業させることが容易なため、経営者は正社員数を不況時の活動水準に合わせており、繁忙時には残業増で対応することが多い。これらはあくまで労使の慣行として根づいてしまっており、政府の規制改革で長時間労働を簡単に解消できるものではない。
だが政府にももちろん責任の一端はある。最大の元凶は法体系において36協定の特別条項を放置してきたことだ。
労働基準法は1日8時間、週40時間を法定労働時間に定める(32条)が、36条で例外を設け、労使協定(36協定)により月45時間まで延長できる。さらに、特別条項を結べば、青天井の残業が事実上可能だ。そのため、大企業の6割弱が特別条項を結んでおり、うち過労死ラインといわれる月80時間を超える残業が可能な企業がなんと15%弱にも達している(図表2)。
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