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ライフ #非常時の組織論

モンゴルの草原で気づいた組織を動かす要諦 やっとわかった「自主裁量」という言葉の真意

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夜明けにテントを出ると、昨日は地平線まで続いていた緑の草原が白い雪原になっていた。自然の力は、見渡す限りの緑を数時間で真っ白に変えてしまう。

昨年の秋、私は、標高1500メートルに広がるモンゴルの大草原で、馬に乗っていた。

馬というのは、右の手綱を軽く引けば右に曲がるし、左を引けば左に曲がる。両方引けば止まり、尻をたたけば走りだす。

これがバイクなら、ハンドルやアクセルを操作すれば進路をセンチ単位でコントロールできるし、前輪を上げたまま走ったり、タイヤを滑らせて反転させたりもできる。

当然のことながら、馬は手綱を微妙に操作してもセンチ単位で動いてはくれないし、進路もスピードも微細な調整はできない。

教わったとおりに手綱を操作していたが、私に手綱のさばき方を教えてくれたモンゴル人は、手綱を持つことすらしていなかった。時折たてがみの辺りをなでたり首をさすったりする様は、どう考えても馬をコントロールする動作とは思えない。しかし、馬を意のままに動かしていた。

そのうち、私が「今、右に曲がれ」とか「ここを左に行け」といちいち馬に動作を指示しているのに対し、彼はどこに行きたいのかを最初に伝え、どうやって行くのかは馬に任せているように思えてきた。 

そして、馬にバイクのように乗ろうとしていた自分に気づいた。動作を指示するだけで、どこに行きたいのかという意思を伝える発想が欠けていた。しかし、馬は私がどこへ行きたいのかを知りたがっていたし、そこへ一緒に行こうとしていたのだ。

ならば私は、目指している場所を示し、細かな動作についてはモンゴルの地を熟知している馬に任せるべきだったのである。

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