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ライフ #非常時の組織論

「勘」を研ぎ澄ます本気の決断の積み重ね ミンダナオ島の女性戦士が教えてくれたこと

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自衛隊初の特殊部隊は、2001年3月、海上自衛隊内に創設された。私は、その創設準備からかかわり、創設後は作戦現場へ行く者の最先任者(先任小隊長)として勤務した。42歳のとき、特殊部隊から元の艦艇部隊への転勤内示を受けたため退職した。

退職したのは、特殊部隊創設時から長い時間をかけて作ってきた各国にあるコネクションを維持し、必要ならばどこへでも行き、技術を習得し、経験を重ね、日本でそれを必要とする者に伝えるためだった。

だから、撃てて、潜れて、平和ボケしない地を求め、フィリピンのミンダナオ島に拠点を移した。行ったこともなければ知人もいない場所だったが、いくつかの幸運が重なり住みつくことができた。

そこで海で生まれ育った海洋民族のラレイン(仮名)をトレーニングパートナーとした。まだ20代前半の彼女は強烈で、たとえば私とこんなやり取りを始終していた。

「標的には、銃が写っているものと写っていないものがある。銃の写っているものは撃っていいが、写っていないものは撃つな」

標的は同じ姿勢をした同じ人の写真で、銃のあるなしの2種類。私の説明にラレインはこう言った。

「この射撃の目的は何なの?」

彼女のいつものしゃべり方だった。質問の形を取った「文句」なのだ。

「撃つべき相手か、撃ってはいけない者か、その識別を瞬時にするための訓練だ」

「バカじゃないの? 写真じゃ何の意味もないわ。アナタ、自分に殺意を持っている人と向かい合ったことないでしょ」

そんなこともわからないの? みたいな態度に腹立たしさを感じながら、次に何を言い出すのかが楽しみでもあった。

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