2016年に話題となった食材の一つが、大麦の一種である「もち麦」だ。白米と交ぜて炊いた麦飯なら、それまで食していたのと同じ量でも体重が自然に減り、肥満解消や血糖値のコントロールが行いやすい。食べながらやせることができ、生活習慣病の予防・改善が期待できることからブームに火がついた。
大麦がなぜ減量や病気の予防につながるのか。それを解くカギは腸内細菌叢(さいきんそう)にある。人間の腸には100兆個以上の細菌がすみついている。たくさんの細菌の様子が、いろいろな種類の花が咲く花畑(フローラ)のように見えることから、腸内細菌叢は「腸内フローラ」とも呼ばれている。
かつてその全貌はよくわからなかったが、技術の進化に伴って08年に欧米で国家プロジェクトによる腸内細菌叢の研究がスタートし、日本でも13年に開始された。その結果、腸内細菌叢は、人間の免疫機能、ホルモン代謝、生活習慣病やがんなどの病気にかかわることが明らかになりつつある。
そんな細菌の餌となるのが食物繊維などの成分だ。玄米も食物繊維が豊富だが、もち麦など大麦との違いを大麦研究の第一人者、大妻女子大学家政学部長の青江誠一郎教授はこう指摘する。
「もち麦には白米の約25倍の食物繊維が含まれるだけでなく、玄米と比較しても水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが優れている。この大麦の食物繊維が善玉菌の餌を腸の奥まで届けて腸の働きを活発にし、さらに脂質の吸収を抑制し食後の血糖値上昇も緩やかにする」
血糖値上昇抑制が続くセカンドミール効果も
このような大麦の効果が広く知られるようになったことで、もち麦は一時店頭から消えるほどの人気となった。ただ、そもそも「半世紀前から日本では大麦を食べる習慣がなくなり、国内生産量が減っている」(青江教授)という事情もあった。
そこで現在注目を集めているのが輸入大麦だ。その一つが、豪州で開発された非遺伝子組み換えの「スーパー大麦」。水溶性食物繊維や不溶性食物繊維を含み、シリアルなどで使用されている。
この記事は有料会員限定です
残り 689文字

