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トランプ米次期大統領の周辺が、あい変わらず騒がしい。人事の内容や会見の延期など異例づくめの経過だけに、耳目が集まるのも当然である。
そうはいっても、巨富を築いたビジネスマン。衝動的に行動するはずはないから、常軌を逸するかに見える言動も、それなりの計算に基づくのだろう。
そんなトランプ、最近の東アジアで最も話題になったのが、台湾の蔡英文総統との電話会談である。暴言王といわれた彼の発言は、中国との関係でも物議を醸してきた。しかしすでに次期大統領という立場、その重みは今や格段に違っている。
何しろ異例も異例、電話ではあれ、米台断交後初めての、次期大統領と台湾総統との直接会談である。しかも今回は中国側の原則、「核心的利益」に触れたという意味で、すこぶる重大なものだった。
軽さが見える発言
中国側が即座に反応したのは定石どおりである。するとトランプは、「一つの中国」に縛られないと発言、貿易金融や南シナ海における中国の行動と合わせて、批判を繰り返した。中国も黙ってはいない。爆撃機を南シナ海に飛ばして牽制。にわかに緊張が高まっている。
トランプの真意は測れない。けれどもその物言いからは、「一つの中国」とは中国の国益の一つにすぎず、米国の利害とはかりにかけられる取引材料となる、そんな軽い感覚が見てとれる。
なぜ中国が一つでないといけないのか……と、似たせりふを言っていたのは、たしか石原慎太郎元東京都知事。いずれもおそらく、「一つ」にこだわる真意がわかっていないのである。
その中国側、王毅外相も外務省報道官も口をそろえて「一つの中国」は国際社会がすでに公認した枠組みであり、中米関係の基礎だと述べた。もちろん100%正しい事実とはいえないし、発言者もそこを知らないはずはない。それでもあえてこう言わねばならないのは、他国が関わる「枠組み」「基礎」があまりにも脆弱であると同時に、決して譲れない一線でもあるからである。
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