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王朝時代からの構造的な呪縛を韓国は断てるか またも大統領失脚、猛る「民主」イデオロギー

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  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

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とにかく若者の怒りがすさまじかった。大統領に対する支持率は、20代がつとにゼロだったという。支持者が誰もいないという現実は、民主制の国家元首として救いがたい。

いうまでもなく、韓国大統領の朴槿恵(パククネ)のこと。ついに弾劾訴追案の可決を受け、職務停止となった。

2016年11月、首都に滞在し実見したデモでも、確かに若い人が多かった。高校生も集会を催し、シュプレヒコールを上げており、日本ではここまでにはなるまい、と妙に感心したものである。

そもそも、大統領の支持者は高年層が多い。支持率全体がゼロにならなかったのは、60代70代の支持が残っていたからである。

こうした世代間ギャップは、韓国現代政治を象徴する。現大統領の父親は朴正煕(パクチョンヒ)元大統領。その事蹟をいかに評価するかは、かなり難しい。褒貶(ほうへん)こもごもである。

「民主」が至上のイデオロギー

軍事クーデターで政権に就いた朴正煕は、日本の援助を得て、韓国を経済成長の軌道に乗せた。にもかかわらず、凶弾に倒れ、天寿を全うしなかった。その功績を支持し、横死に同情を寄せる向きは少なくない。

しかしいわゆる「民主化」以後は、その「民主」こそ至上のイデオロギーである。軍事独裁はそのため、「親日」とともに唾棄すべきイメージに固まった。とりわけ朴正煕を直接には知らない若い世代は、拒否反応を禁じえない。

朴槿恵も長くそんな父親の亡霊に悩まされてきた。日本たたきをやったのも、外政上の必要だけではない。父親の事蹟に関係して、「親日」と呼ばれるのを忌避したともいわれる。それが一定の成果を上げ、ひとまず支持を得てきた。

その支持は今や見る影もない。国政を私物化し、「民主化」に背くと断ぜられるや、大統領の政治的生命はたちまち風前の灯と化した。

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