1月の総統選挙で初の女性総統として独立派の蔡英文を選んだ台湾人。予想以上の圧勝の理由を昨年末の台湾滞在時における見聞を手掛かりに考えてみたい。
今回は高雄や台南など台湾南部で過ごした。その昔、人々が国語(中国語)を解するのに台湾語しか話してくれず困った経験がある。台北よりも台湾色が強い地域だ。
リーマンショック後、景気は厳しい。高雄で40年商店を経営する男性が話す。「一時は倒産するかと思ったが、大陸から来る観光客のおかげで、何とか立て直すことができた」。高雄では観光客を相手にする店が増えたという。
台湾観光の名所、阿里山で聞いた話はやや趣が異なった。「中国人観光客のガイドはキックバックの要求がひどい。案内する店自体が中国資本というケースも多い。当初と違い、観光客増が地元の利益につながるとは限らない」。
今や訪台中国人は年間400万人を超え、見方によっては“経済的進駐”である。台湾の現状では、その帰趨がサービス業の業績を左右すると言っても過言ではない。
こうした状況を積極的にとらえる人もいる。台南で会った若者によれば、少し前までは台湾に就職先が少なかったため、大陸へ働きに行く若者が多かった。確かに10年前の台南で「隣も上海に移住した」という類の話をよく聞いた。が、ここ1〜2年は中国経済減速の影響もあり、その数が減っているらしい。むしろ、観光地としての魅力を高め、古き良き台南の復興に努めている人々がいるそうだ。
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